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ビバルディ作曲の所在不明作品、スコットランドで楽譜見つかる 


【10月8日 AFP】協奏曲集『四季』で有名な18世紀イタリアの作曲家、アントニオ・ビバルディ(Antonio Vivaldi)の行方不明作品が、英スコットランド(Scotland)の貴族の所有品の中から発見された。研究者らが7日、公表した。
この作品は、フルート協奏曲『Il Gran Mogol』。ビバルディが作曲した事実は知られていたが、300年近くにわたってその所在は不明となっていた。
このほど、英サウサンプトン大学(Southampton University)の研究者アンドルー・ウーリー(Andrew Woolley)氏は、エジンバラ(Edinburgh)にあるスコットランド国立公文書館に保管されていたあるスコットランド貴族の所有する紙束の中から、この作品の楽譜を発見した。
「この作品についてはずっと、18世紀オランダの書籍業者の販売カタログに記載があるということしか分かっていませんでした」と興奮気味に語るウーリー氏。『Il Gran Mogol』は4部構成の協奏曲作品で、見つかった楽譜はこのうちの1部という。残る3部は未だに発見されていない。
見つかった楽譜は、フルート演奏が趣味だったスコットランド貴族、ロバート・カー卿(Lord Robert Kerr)が1700年代初頭に欧州を旅行した際に入手したものと思われ、子孫の所有する書類の中に埋もれていたという。楽譜からは第2バイオリンのパート譜が抜けていたが、ウーリー氏は、後にビバルディが『Il Gran Mogol』を改定したとされるフルート協奏曲の楽譜を使って再構成した。
復元された『Il Gran Mogol』は、スコットランド・パース(Perth)で来年1月に開かれる演奏会でお披露目される。(c)AFP