連日連夜の忘年会で、二日酔い気味のサラリーマンに朗報!? 赤ワインに含まれる物質が脳を刺激し、記憶に関係する神経細胞を増やすことを名古屋市立大大学院医学研究科・岡嶋研二教授(展開医科学)の研究グループが突き止めた。認知症予防や記憶力アップに効果が期待できるといい、市川海老蔵(33)はじめ「酔って覚えてない」という酒癖の人にはオススメかも…。
認知症予防に赤ワインの効果があることは、すでに仏・ボルドー大の研究で判明している。同大が高齢者を追跡調査したところ、赤ワインを毎日グラス3~4杯ずつ飲み続けた人は、まったく飲まない人に対してアルツハイマー病の発症率が4分の1だった。
岡嶋教授はこの原因を探るため、赤ワインに含まれる「レスベラトロール」という成分に着目し、マウスへ含有量の多い赤ワインを3週間飲ませ続けた。
結果、脳内で比較的新しい記憶を留める役割がある「海馬」の神経細胞が、飲まないマウスに比べて2倍に増えた。また、マウスに迷路を脱出させる訓練をさせたところ、5日目でワインを飲んだマウスが、飲まないマウスの半分の時間でゴールに達したという。
岡嶋教授は「レスベラトロールが胃を刺激することがきっかけになり、海馬でタンパク質のインスリン様成長因子が作られて神経細胞を増やしたり、再生させる。ブドウの皮に多く含まれ、白ワインやブドウジュースは効果がない」と説明。
「レスベラトロールの含有量はワインのラベルには書かれていない。ブドウの種類や産地によって量が異なるので、フルボディーの見た目で色が濃いものを選んだ方がいいでしょう」とも語る。
また、マウスの実験では、摂取した30分後から記憶の効果が10時間ほど持続したという。岡嶋教授は「アルコールなので飲んだ直後に勉強や仕事をするよりは、グラス2、3杯程度を毎日、習慣として飲む方がいいでしょう。ただし、体質を考え、飲み過ぎには注意すべき」と話している。